ギリシャ悲劇エレクトラ三部作「弟オレステスの放浪と帰還」
笠松泰洋
(作曲・台本構成・指揮)

東京大学文学部美学芸術学科卒業。現代音楽の新作から、演劇、TV、映画の音楽制作・音楽監督など幅広い創作活動を展開している。蜷川幸雄演出「ハムレット」、「グリークス」、「ロミオとジュリエット」、江守徹演出「8人の女たち」などの音楽を担当。芸術のジャンルを越えた新時代の作曲家・音楽家として、益々の期待が寄せられている。

鈴木勝秀
(演出・台本)

1987年に“ZAZOUS THEATER”を旗揚げ。主宰者として構成・演出を務める。演劇だけでなく音楽ライブの演出、TV・映画の脚本も多い。昨年の作品に『BENT』『LYNX』『ダム・ウエイター』『偶然の男』『ママがわたしに言ったこと』『ディファイルド』がある。草サッカーチームFC AARDVARKの監督でもあり多忙なスケジュールをこなす。

篠井英介
(語り)

日本大学芸術学部演劇学科卒業。日本舞踊 宗家藤間流師範名取。1992年、第29回ゴールデンアロー賞演劇新人賞を受賞。現代劇の女方として、舞台のみならず映像の世界でもその妖艶な魅力により異彩を放ち高い評価を受けている。枠にとらわれず様々な分野で活躍中。今後もさらなる飛躍が期待されている。

全席指定 ¥6,000
●お問合せ・お申込
 王子ホールチケットセンター TEL.03-3567-9990
作曲・台本構成 笠松泰洋
演出・台本 鈴木勝秀
作詞・台本協力 岡本おさみ
振付 森山開次
舞台監督 白石英輔
照明 小笠原 純(株式会社ファクター)
企画・制作 王子ホール

語り、ダンス、歌、器楽合奏を融合させた、王子ホールの委嘱によるライブハウス・オペラ「エレクトラ3部作」。3年間の集大成となる「弟オレステスの放浪と帰還」では、演劇界の奇才、鈴木勝秀さんが演出を担当。硬質で透明な舞台から人間の心の襞を映しだすその手腕で、演者から、そして王子ホールの空間から何を引き出すか、大いに楽しみなところです。 今回語り手を務めるのは、男性・女性を瞬時に演じ分けるたぐい稀な女形、篠井英介さん。振付・ダンスは従来のコンテンポラリーダンスの枠を越えて世界的に注目を浴びる森山開次が担当。ソプラノは昨年の公演で声の力を存分に示した飯田みち代さんが引き続き登場。多彩な表現力を誇るバリトン、成田博之さんとの二重唱にも期待がかかります。 ジャンルの壁を越えて集うアーティストたちが描きだす苦悩と再生の物語――今年最高のコラボレーション作品が、銀座で生まれます。

物語はエレクトラとオレステス姉弟が母親を殺害した数日後のミュケナイの王宮から始まる。母殺しの罪に苛まれ、復讐の女神により狂気に追い込まれる弟オレステスと、それをなすすべなく介抱する姉エレクトラ。アルゴスの正統な王に迎えられると思っていたオレステスだが、市民の投票により死刑を宣告されてしまう。折りしも父の弟メネラオスが、トロイア戦争の原因となった妻ヘレネを密かに連れて帰国する。しかしメネラオスは彼らに力を貸そうともしない。姉弟は親友ピュラデスと共にヘレネを殺害し、メネラオスとヘレネの娘を人質にとることでこの窮地を脱出しようと画策。混乱のさなか、太陽神アポロンが降臨し、「オレステスは罪を贖うために放浪すること、エレクトラはピュラデスの妻となること、ヘレネは神の列に加えられること」という神々の裁定を告げる。オレステスは放浪の末、黒海の北、タウリケの地に流れ着いたところを捕らえられ、アルテミス神殿の生贄に供されそうになる。その窮地を救ったのは、生贄の儀式を司っていた神官。その人こそ、父アガメムノンに殺されたはずの長女イピゲネイアであった。奇跡の再会を果たし、故郷へ向けて逃亡する姉弟に追っ手が迫るなか、女神アテナが現れる・・・。